日々のバリゾーGON

日々の罵詈雑言を書き連ねた日記です

続きです

当直医から「とにかく入院して絶食と点滴をしてもらいます」。父は一命を取り留めたのでした。
突然入院準備やら何やら色々と目まぐるしい数時間を過ごし、やっと母の入院先へ辿り着きました。
2人が別の病院に入院となると「しんどいなぁ」と思いましたが、仕方ありません。
母は整形外科専門の病院、父は総合病院の内科。

父の状態が良くないことを弟二人に知らせました。
3人兄弟の私は第一子長女です。

母の病室で4人、父に万が一のことがあった場合どうするか、母の意向を聞きました。
母は、家族葬にして、近所の誰にも言わなくていい、父方の親戚にも言わなくていいと言いました。
葬儀屋さんの指定もありました。
母の腰も中々良くならず、葬儀には参加できないと言いました。

その日はそれで終了。私は翌日から二つの病院へ面会に行くことになりました。
コロナがどうのこうので病院は面会できるのは家族のみ、さらに時間指定ありで、まず父→母という順番で行くことにしました。
父の診察をした当直医は総合病院の副院長で、病状から治療の仕方まで丁寧に説明してくれました。
今回は胆管炎だが胆管癌かもしれないと言われ、検査をするとやはり癌でした。胆汁の流れをよくすることは出来るが癌の治療は年齢的に無理だと言われました。
ま、それはしょうがないです。だいたい脳梗塞してるし、母も子供たちもいずれは・・と覚悟はしています。

母に父が少しずつ回復していると伝えました。意外だったみたいです。胆管炎は「年寄りの最後の症状」と言っていましたから。いい医者にかかれば救われるのですね。

父が入院して2日が経ったころ、母がとてもしんどそうにしていることに気づきました。
良くなっていくはずの腰が全く良くならず、ベッドで横になったまま面会するようになりました。
「しんどい?」「しんどくないよ・・」と目をつぶるのです。
私は何故か「それ、敗血症じゃない?」と言いました。ブラックジャックでよくあったので覚えていました。
それからまた何故か「何か食べたい物ない?出汁巻きとか」すると母の表情がパッと明るくなり「そうやな、ちょっとでいい、ふた切れくらい。あと、ちらし(寿司)それもちょっとでいい」「出汁巻きにおろしは?」「欲しい。醤油をちょっとかけてな」「じゃ、明日持ってくるわ。今日はもう時間だから帰るな」面会時間は15分。母は寂しそうな顔をしました。「明日も来るやん」その時の私の気持ちは「明日も来るから頑張れ」何故かそう思いました。
翌日、朝から用事があったのでそれを済ませてから出汁巻きを作って、午後母に届けようと思いました。面会は午後からしか出来ないのです。また何故か「まさか、作らないまま終わらないよな」との思いがよぎりました。
9時に車で家を出てしばらく走ると母の病院から電話がありました。
「血圧が下がってきたので来てください」
・・・胸騒ぎと悪い勘が当たった気がしました。

つづく